X という、我らの言語には必要のないこの文字は、綴字法改善論者の攻撃に対して無敵になってしまっており、改善論者もそうだが、間違いなく言語と同じくらい存続することだろう。X は10ドル紙幣の聖なるシンボルであり、また、Xmas, Xn などなどの形でキリストを象徴するとされる。その理由は、一般的には十字架を表すからと思われているが、そうではなく、ギリシャ語でのキリスト Χριστοζ のイニシャルからきている。もし十字架を表すものだとしたら、それは聖アンデレ、つまり十字形のもののうえで「証言した」人を象徴するはずなのだ。心理学では、X を女性心理を象徴する記号として用いる。X で始まる単語は古代ギリシャ語であり、このスタンダードな英語辞典には収録しないことにした。
n. ヨーロッパではアメリカ人のこと。アメリカ北部ではニュー・イングランド人のこと。アメリカ南部では知られざる言葉である(DAMNYANK [糞北部野郎] 参照のこと)。
n. 365の落胆からなる期間。
n. 青年の幼少期、中年の青年期、老年の過去すべて。
Baruch ArnegriffBut yesterday I should have thought me blest To stand high-pinnacled upon the peak Of middle life and look adown the bleak And unfamiliar foreslope to the West, Where solemn shadows all the land invest And stilly voices, half-remembered, speak Unfinished prophecy, and witch-fires freak The haunted twilight of the Dark of Rest. Yea, yesterday my soul was all aflame To stay the shadow on the dial's face At manhood's noonmark! Now, in God His name I chide aloud the little interspace Disparting me from Certitude, and fain Would know the dream and vision ne'er again.
話では、死の病に取りつかれたこの詩人は、7人の医者を別々に侍らせていたのだそうな。
n. とある器具のことで、奥さま、ラテン語では jugum といい、我々の言語がラテン語に負っているもっとも輝かしい言葉のひとつで――夫婦関係を正確に、鋭く、痛烈に定義している言葉です。遺憾千万に思いますけれども、ここではその定義を差し控えさせていただきます。
n. 可能性の期間。アルキメデスが支点を発見し、カサンドラに支持者がおり、七都市が存命中のホメロスに栄誉を授けようと競っていたとき。
Polydore SmithYouth is the true Saturnian Reign, the Golden Age on earth again, when figs are grown on thistles, and pigs betailed with whistles and, wearing silken bristles, live ever in clover, and clows fly over, delivering milk at every door, and Justice never is heard to snore, and every assassin is made a ghost and, howling, is cast into Baltimost!
n. 古いイタリアの戯曲で人気を集めていた登場人物。滑稽な無能者である buffone、つまりピエロを模倣したものである。つまり、猿真似役者の猿真似役者なのだ。というのも、ピエロというものは、戯曲のシリアスな人物を模倣したものだから。道化者はユーモアの専門家の祖先にあたり、今日の我々も彼の知遇を得るという不幸を味わっているのだ。道化の中に、我々は創作の教訓を学び取る。一方のユーモア人の中には、伝染の実例がある。近代道化者のすばらしい例をもうひとつ挙げよう。牧師補は牧師の猿真似をし、牧師は司教の猿真似をし、司教は大司教の猿真似をし、そして、大司教は悪魔の猿真似をする。
n. アフリカ東海岸、ザンジバル領に住んでいる人。ザンジバル人という好戦的な民族については、我が国においても、数年前に起きた示威的外交事件を通じてよく知られている。アメリカ領事は、首都の、両側を砂浜にはさまれた海に面したところに住まいを構えていた。この役人一家にとってたいそう破廉恥なことに、そして、何度も抗議をくりかえしたにも関わらず、街の人々はそのビーチで水浴びするのをやめなかった。ある日、一人の女性が水際まで下りてきて、身につけていたもの(サンダル)を脱ぎ捨てた。とうとう堪忍袋の緒を切らした領事は、その女の体のもっとも目につきやすいところに散弾銃をぶっ放した。両国の間に存在していた友好関係にとっては不運なことに、その女性は王妃だったのである。
n. 若者や世間知らずを苦しめる神経性の病。この激情の後には服従がくる。
Jum CoopleWhen Zeal sought Gratitude for his reward He went away exclaiming:"O my Lord!" "What do you want?" the Lord asked, bending down. "An ointment for my cracked and bleeding crown."
n. 直立する人間および成長中のキャベツの真上にある天空の点。ベッドに入った人間およびポットに入ったキャベツには天頂がないと考えられている。もっともこの問題に関するこの見解は、かつて学識者たちによっておおいに議論されてきたにもかかわらず、一部、姿勢にはよらないと主張しているものもいた。こうした人々は水平主義者と呼ばれ、他方は垂直主義者と呼ばれていた。しかし最終的に、水平主義者の異論は、アバラの哲学王にして熱狂的垂直主義者、キサノバスによって封殺された。哲学者たちがあつまってこの問題を論じているところに入ってきたキサノバスは、論敵たちの足元に人間の生首を放り出すと、胴体は外で逆さ釣りにされているという説明を加えて、それの天頂を求めよと言った。その首が自分たちの指導者のものだと気づいた水平主義者たちは、あわてて、陛下がご支持なさるご意見に転向することを公言した。かくて水平主義は、迷信へと身をやつしたのである。
n. ギリシャの神々の主神。ローマ人にはジュピターとして崇拝され、現代アメリカ人には「神」「金」「群徒」「犬」として崇拝されている。アメリカ海岸に漂着した探険家のうち、かなりの内陸部まで歩を進めたある人物は、これら4つの名前がそれぞれ異なる神々の名前を意味すると考えているらしいが、その不朽の名著「生き残っている信仰」において、原住民たちは単神論者であり、めいめい、自分自身以外のいかなる神も持っておらず、複数の聖なる名前で信仰しているのだ、とフランプは主張している。
v.i. 右へ左へふらふらしながら動くこと。たとえば、白人の荷物を運ぶ人のように(アイスランド語の zed, z, jag というわけの分からない言葉に由来する)。
MunweleHe zedjagged so uncomen wyde Thet non coude pas on eyder syde; So, to com saufly thruh, I been Constreynet for to doodge betwene.
n. 動物王国についての科学と歴史。その王、家蝿 Musca maledicta を含む。動物学の父祖は、あまねく認められるとおりアリストテレスだが、母親の名前は我々に伝え下されていない。この科学におけるきわめて傑出した解説家として、ビュフォンおよびオリバー・ゴールドスミスの名前が挙げられる。両者の著作(L'Histoire generale des animaux, A History of Animated Nature)により、我々は乳牛が二年に一度角を削ることを学ぶ。