n. オリンピアの神々の宴会に出される飲み物。その製法の秘伝は失われてしまったが、現代ケンタッキー人は、自分たちがその主成分をかなりのところまで分かっていると信じている。
J.G.Juno drank a cup of nectar, But the draught did not affect her. Juno drank a cup of rye -- Then she bad herself good-bye.ジュノーがネクター傾ける だけどジュノーは酔えなくて ジュノーがウィスキー傾ける そして自分にさようなら
n. アメリカにおける政治問題のメインディッシュ。共和党は、黒人を n という文字で表しつつ、次のような方程式をたてはじめている。Let n = the white man つまり「n を白人とせよ」と。さりながら、この方程式は満足な解を持たないようだ。
n. 我々に教えられるところでは、己と同じように愛さなければならないひと*。そして、我々に反感を抱かせる術をことごとく知っているひと。
*「マタイによる福音書」22:39――「あなたは隣人を自分自身のように愛さなければならない」。電網聖書参照のこと。
n. あなたのおばあさんを党利のために官職につけること。
adj. ニュートンが考え出した宇宙理論に関する。ニュートンは、リンゴが木から地面に落ちると言うことに気づいたひとだが、なぜそうなるかを言うことはできなかった。その弟子や後継者たちは、いまや、いつそうなるかを言うことができるところまで進んでいる。
n. トルストイ以外の存在をすべて否定するロシア人。この学派のリーダーはトルストイ。
n. 仏教において、賢者に与えられる快楽的殺戮悦楽的滅却状態。特に、それを理解できるくらい賢いひとたちに。
n. 富めるアメリカ人に、社会的栄誉に苦しみ、上流生活に疲れようという野望を抱かせる大自然の贈り物。
n. 耳に対する悪臭。人に懐かない音楽。文明の主要な製品でありお墨付きの証。
v. 最高納税為政者に指名すること。敵の罵詈雑言と毀誉褒貶の矢面に押し出すこと。
n. はえある私的生活から身を引き、薄暗き公的役職を探してまわる、こよなく慎ましいひと。
n. 死せるクエーカー。
n. このすばらしい辞書に寄せられる非難のこと。
n. 顔の最果てにある前哨基地。偉大な征服者は偉大な鼻をもっていたという観点から、ジェティアスという、ユーモアの時代を先取りした書物を著した人物は、鼻のことを征服器官と呼んでいた。他人事を嗅ぎまわっているときの鼻ほど幸せな鼻はないと見られているため、そこから一部の生理学者は、鼻には嗅覚がかけているという推論を導き出している。
Arpad SinginyThere's a man with a Nose, And wherever he goes The people run from him and shout: "No cotton have we For our ears if so be He blow that interminous snout!" So the lawyers applied For injunction. "Denied," Said the Judge: "the defendant prefixion, Whate'er it portend, Appears to transcend The bounds of this court's jurisdiction."
n. 社会的栄誉を競う相手がもつ声望。凡人にとってもっとも近づきやすく受けいれやすい有名さの一種。喜劇のステージに向かって天使たちが上り下りしているヤコブの梯子*。
*「創世記」28:12――ヤコブが夢で見たという天に続く梯子。
n. 存在しているもの。存在しているように見えるにすぎないもの(現象という)とは分け隔てられたものである。探りあてるのはちょっと難しい。類推のプロセスによってのみ理解できる――が、類推のプロセスは現象なのだ。それにもかかわらず、本体の発見と論証は、ルイスが「哲学的思考の果てしなき多様性と興奮」と呼ぶもののために豊富なフィールドを提供してくれる。(そういうわけで)本体万歳!
n. 水増式短編小説。美術とパノラマの関係と同じ関係を文学に対してもつ作文の一種。じっとしたまま読みつづけるにはあまりにも長すぎるため、繋ぎの部分から生まれた印象が繋がって消滅してゆく。パノラマと同じように。ユニティ、つまり全体的な影響は、じつに耐えがたい。というのも、最後に読んだ数ページの他に印象に残るものといったら、なにが失われていったかというプロットだけしかないからだ。ロマンスにとって、小説とは絵画にとっての写真に等しい。その著しい本質は、写真が持つ現実への融通の利かなさと一致し、ルポのカテゴリーに自らを放り込んでしまう。一方のロマンサーは、自由な翼を羽ばたかせ、想像力の最高々度に飛翔する。そして文芸の本質とは、一にも二にも、三にも想像力なのだ。淋しいことに、小説執筆の技は、まだ小説というものが新しいロシアを除く全世界で死滅してしまった。その灰に安らぎあれ――休むまもなく売れている灰もあるとはいえど。
n. 1倦怠の11/12。