言い訳と謝辞。

各ファイルについてのメモと謝辞。新しい順に並んでます。クレジットの入れ方が気に入らない、というひとは乞うご連絡

移動にともなってリンクなど無茶苦茶ですが、もう面倒なのでしばらく手をつけないと思います……。

オー・ヘンリー「多忙な株式仲買人の恋愛事情」
リハビリがてらに有名どころを。あんまり遊び心は出してないはずです。第一文が長すぎるところに葛藤する。大久保康雄訳(新潮文庫)既読。

ウルフ「ラピンとラピノヴァ」 ウルフの(ストーリーがある)短編ではやっぱこれでしょー。Solid Object もいいけどね。『「そう呼ばれているのかい?」とアーネストは言った――「ほんとうのロザリンドは」かれは彼女を見た。かれは、自分は彼女をとても愛していると思った。』がたまらなく好き。

ウルフ「弦楽四重奏」 かなり意味不明な文章だけど、盛りあがりと盛りさがりという楽曲的な要素があって個人的には好きだったりする。「舌はただの拍子木だ」。

ウルフ「月曜日か火曜日」 題名からして意味不明な散文詩的散文。第四段落はまったく意味がなさそうなので英文のままのこした。意味はとおらなくてもリズミカルではあるし。第二段落のカッコで括られた部分は同作者の短編 Sympathy からのカットイン。

ウルフ「青と緑」 スケッチ、と呼べばよかろうか。それにしても、「インコの鋭い鳴き声」は緑色なんだろうか、と疑問に思った。感性の問題ではあろうけれども。●個人的には、緑豊かな庭から入ってきた光がシャンデリアを照らす、というイメージで訳しはじめています。で、そこからは宮沢賢治的幻燈な展開、と。

フィッツジェラルド「崩壊」 本文 「人生は崩壊のプロセスである」んだそうな。コメントは差し控えた方が若僧としては賢明な態度であろうと思われますゆえ、ノーコメント。●宮本陽吉訳(荒地出版社)は既読。●katoktさんよりお知恵を拝借。感謝。

ビアス「不完全火災」 本文 暇つぶしにどーぞ。特に思い入れはありません。●大津栄一郎訳(岩波文庫)は既読。●katoktさんよりお知恵を拝借。感謝。

フィッツジェラルド「グレイト・ギャツビー」 本文 20世紀を代表する大傑作。でも最後までやれるのか? というかそもそもオレにこれがやれるのか? いざ翻訳してみるとフィッツジェラルドの文章って異様に "as if..." が多いね。1段落に2回も使うなよ。でも "yellow of autumn-leaf" という表現は好きだな。さすが「ジャズ・エイジの桂冠詩人」。●katoktさんTakachinさん結城浩さんsogoさん富田倫生さんよりお知恵を拝借。感謝。●野崎孝訳(集英社文庫)の影響はそれなりにあります。

O・ヘンリー「警官と賛美歌」 本文 これまた軽い読み物として。「お巡りと賛美歌」のほうがよかったかな。●大久保康雄訳(新潮文庫)の影響はあるかも。●何故にこれを選んで訳したんだっけ。失念。●結城浩さんよりお知恵を拝借。感謝。

トルーマン「アメリカ大統領声明:1945年8月6日」 本文 うー、終戦記念日には間に合わせたかった……。マイナーな演説っていうか声明だけど、でも、歴史的な意義はけっして小さくないと思う。sogoさんの某論文で、著作権が期間的に切れてない作品数をひとつも訳してないというのを指摘されたもんだから、とりあえず1個やってみたってのも動機のひとつ。●PAL MACさんよりお知恵を拝借。感謝。

ビアス「悪魔の辞典」 目次 文筆家ビアスの集大成。●1年の苦労実ってついに完成。ただ、訳注などの不備がまだまだ山ほどあるし、ぼつぼつバージョンアップしていきます。●「あとがき」は書くつもりでいるけれど、いつになるかなあ。●某氏および結城浩さん、DASUTOさん、fixxさんよりお知恵を拝借。感謝。●それから、勝手に利用させて頂いている電網聖書にも深い感謝を。●奥田俊介+倉本護+猪狩博共訳(角川文庫)西川正身訳(岩波文庫)には一通り目を通しております。あと、郡司利男訳(こびあん書房)も若干見た(これは手元にないんで……)。

O・ヘンリー「ハーレムの悲劇」 本文 ま、軽い読み物として。ハーレムっつっても酒池肉林なやつではなくて、ニューヨークの地名ね。念のため。O・ヘンリーは短いわりに訳すのはけっこう面倒だなあ。大久保康雄訳(新潮文庫)の影響はあるかも。●KTさんよりお知恵を拝借。感謝。

O・ヘンリー「二十年後」 本文 「ギャツビー」ばかりやってたら間が開いてしまったんで、とりあえずそこを埋めたかっただけともいう。大久保康雄訳(新潮文庫)の影響はあるかも。中学校の教科書にも出てきてたような気がするけど、もう覚えてないからそっちの影響はないと断言いたします。●結城浩さんよりお知恵を拝借。感謝。

ロンドン「火を起こす」 本文 「影と光」でロンドンを初めて読んだという人が多かったらしく、ロンドンがああいうのを書いていた人だと思われたら困るな、というかべつにオレは困りもしないんだけど、いろいろ(その人にとって)不都合なことになりそうな気もしないではなかったので、精読をかねてロンドンの代表的短編をやることにした。「焚火」という邦題で有名な、モームの小説百選にも選ばれているやつ。ちょっとアラスカの気候風土が分からなかった、というかアラスカどころでなく雪というもの自体が身近にあるわけではない(当方3センチの積雪で交通麻痺する南国生まれの南国育ち)ため、あんまり出来はよくないかと思います。はっきりいって、全編にわたりオレが雪の世界に抱いている虚像にまみれているんじゃないかと。でも実際よく分からなくって。寒いと手を体に叩きつけるものなの? 題名については……「焚火」で通そうかどうか迷ったんだけど、やっぱり動詞でないとだめだと思う。この小説の本質は「何が起きるか」ではなく「何をするか」だと思うから。だからといって「焚き火をする」じゃのどかすぎるし。●不明部分を調べてみるとネイティブの間でも分からんという話題になってた。cross a wide flat of nigger-head っていうところ。しかも結論が「当時の North People に使われていたスラングで、なんつーかこう、木の幹とか根とかがうじゃうじゃ絡まっているみたいな場所? そんな感じ。でもリソース失念」とかだった。とほほ。●ちなみに翻訳元のテキストは 1908年発表の 2nd Version。既訳は読んだことがないんで、日本ではどっちが有名なのか知らないけど、1902年発表の 1st Version はけっこう話が違う。個人的には 2nd Version のほうがよいと思う。●結城浩さんよりお知恵を拝借。感謝。

O・ヘンリー「シャムロック・ジョーンズの冒険」 本文 予告どおり。O・ヘンリーによるホームズのパロディ。パスティッシュとは言えない、と思う。はっきり言ってジョーンズの推理はかなり無茶(というか、O・ヘンリーも無茶を承知で楽しんでるみたい)だけど本家の推理にも「そんな無茶な!」と言いたくなるのががなきにしもあらず。そういう意味で、実は結構正統派のパロディではないかと思いました。に、しても「僕には何かもっと強力なやつが必要だ」って……あなたもけっこう好きだったのですね。●結城浩さんよりお知恵を拝借。感謝。

ディケンズ「奇妙な依頼人」 本文 「ミルヴァートン」に出てきた関係で Pickwick Papers を読んでたら見つけたお話。岩波文庫の「ディケンズ短篇集」を真似して短編として切り出してみました。www.toritate.com で言及されてなかったらさらっと読んでおしまい、だっただろうな。小池滋訳(岩波文庫)は既読。●katoktさんよりお知恵を拝借。感謝。

ドイル「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン」 本文 ホームズ研究家が高い確率で持ち出してくるお話。「ホームズはじつのところ法律を軽視する悪的存在である」とかなんとか。まあそれはそうなんだけど、そういう融通のきくあたりがホームズ物語の幅の広さってもんじゃないかなと思う。延原謙訳(新潮文庫)内田庶訳(偕成社)は読んでるからどこかに影響があるかも。●結城浩さんkatoktさんPAL MACさん富田倫生さんよりお知恵を拝借。感謝。●これは急いで入力したのですんごい typo が多かった。

O・ヘンリー「心と手」 本文 ちょっぴりミステリ風味の小話。大久保康雄訳(新潮文庫)の影響はあるはず。O・ヘンリーもけっこう辛辣な文章の書き手だけど、個人的にはこういう粋な話が好きだなあ。いろいろ他にもやってみたいのがあるけれど、たぶん次は「シャムロック・ジョーンズの冒険」。「『これは妻が、ぼくが忘れたりしないようにとあつらえてくれた結び目 (knot) だ。言わば forget-me-knot だね。forget-me-not と言えば勿忘草だ。勿忘草は flower だ。そう、ぼくが忘れてはならない問題は、つまり flour (小麦粉)のことなんだよ』『すばらしい!』私は賞賛の念を禁じえなかった」っていうやつ、個人的には大ヒット。話が思いっきり逸れてますけど、訳についてはkatoktさんよりお知恵を拝借。感謝。

ビアス「空飛ぶ騎兵」 本文 ビアス第三弾。いやあ、やっぱビアスはムズい。話としてはすごくよくできてると思う。ビアスの短編ではいちばん好き。大津栄一郎訳(岩波文庫)を先に読んじゃってるので影響されてるところがあるかも……といいたいところだけれども、影響される以前にオレは原文をちゃんと読めてないので論外でありましょう。だってIIIの終わり、よくわかんないもの。

ビアス「死の診断」 本文 ビアス第二弾。訳はけっこういい加減なところがあるけど、会話だからまあいいや。第1段落はちょっと変か。話自体はまあまあ面白いけど、あの必然性のない結びには頷けないよなあ。かっこいいにしても。題名は不定冠詞を捨てて普通どおりに訳出。次は「空飛ぶ騎兵」をやりたいね。●某氏よりお知恵を拝借。誰かを深詠みする必要はありません。

ロンドン「影と光」 本文 ごめんなさい、かなり遊んでおります。ロンドンってこれくらいの雑さが似合うかな、という気もするし(ものによるけど)。「影と閃光」が正しい題名ですが、対比な感じをとって「影と光」に。既訳は読んでません。だからこそこれだけ遊べるんだけど。●sogoさん、岡田晃久さん、永江良一さんよりお知恵を拝借。感謝。

ドイル「ブルー・カーバンクル」 本文 ホームズ。「冒険」からひとつやっておこうと思い、帽子からずらっと推理を並べたてるシーンが訳したくてこれを選択。以前から延原謙訳(新潮文庫)で読んでいるので影響されているところがあるかも。既訳だと題名は「青い紅玉」「青いガーネット」となるのですが、まあ固有名詞とみなしても問題なかろうと考えて「ブルー・カーバンクル」にしております。●武井信光さんkatoktさん富田倫生さん、BMSさんよりお知恵を拝借。感謝。●後で気付いたけど、これは安部知二訳(創元推理文庫)も読んでるな。●"By Jove!" -- 「ジュピターに誓おう!」とゆーところはですね、普通に誓わせてもいいんですが、A. A. ミルンの「赤い屋敷の秘密」でこの台詞をからかうところがあるんで、もし後から「赤い屋敷の秘密」をやるひとが出てきたととしたら、そのとき分かりやすいであろう、という深慮遠によるものです。こういう台詞があるんだ、とリマインドした上でエディタなんかで「誓って言おう!」とかに書きかえると吉。

ドイル「ノーウッドの建築家」 本文 ホームズ。「火事だ!」はインパクトが強いな。というか、このシーンだけのために訳した。以前から延原謙訳(新潮文庫)で読んでいるので影響されているところがあるかも。既訳だと題名は「建築士」とか「建築業者」とかになってるんですけど、後半のホームズの台詞を考慮して「建築家」にしました。●武井信光さんkatoktさんdouble crownさんsogoさん富田倫生さんよりお知恵を拝借。感謝。typoが多かったですね、これは。●あとで気付いたけど、これは青木日出夫訳(偕成社)も読んでるな。●ところが「typoが多かった」と過去形で括るのは過ちなのでありました。

ドイル「悪魔の足」 本文 ホームズ。なんとなく好きなんだよね、これ。以前から延原謙訳(新潮文庫)で読んでいるので影響されているところがあるかも。スタンデールは、そのうちやるかもしれない「ロストワールド」のロクストン卿なイメージ(オレ内イメージ)で喋らせているから違和感のある人もおられましょうね。題名は普通どおりに訳出。●武井伸光さんkatoktさん富田倫生さん、溝口一郎さん、久木村久さん、市原敏恵さんよりお知恵を拝借。感謝。

ビアス「男と蛇」 本文 初めて読んだときはまったく予想外の落ちで「おお!」と思ったけど、いざ訳出してみると伏線がいっぱいあった。いかにオレの乱読がひどいものかというのがよく分かったです。訳は、一番最初にやったから、なんていいわけができないほどひどいできばえ。既訳は見たことなかったからオレの実力相応かもしれない。題名は普通どおりに訳出。●結城浩さんよりお知恵を拝借。感謝。●2001/1/6. 大津栄一郎訳(岩波文庫)を読んでみた。つきあわせて検討してみるのでちょい待ち。


ホープ「ゼンダ城の虜」 未完成 まだ終わってないし、これはあとがきを書こうと思うので、いましばらくお待ちを。●katoktさんよりお知恵を拝借。感謝。●さて、いましばらくがいつのことになるのやら。

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